ファイナンシャル・プランニング技能士1級
本記事は執筆時点の情報をもとに作成しています。試験制度、受験手数料、出題形式等は変更される場合があるため、受験前には必ず公式情報をご確認ください。
試験概要
FP1級(1級ファイナンシャル・プランニング技能士)は、FP資格における国家資格の最高峰です。民間資格のCFP®と同等レベルとされており、金融・保険・不動産・税務・相続など幅広い分野で高度な専門知識を持つことの証明となります。合格者はFPとして独立・開業する方や、セミナー講師・専門誌への寄稿など、プロフェッショナルとして活躍する方が多くいます。
📌 FP1級はFP2級・3級と仕組みが大きく異なります。「学科試験はきんざいのみ実施」「資格取得の条件は実技試験の合格のみ」「学科と実技は別日程・別申込」という3点が重要なポイントです。
試験時間
| 試験 | 実施団体 | 形式 | 試験時間 |
|---|---|---|---|
| 学科試験・基礎編 | きんざいのみ | 四答択一式(50問) | 150分(午前) |
| 学科試験・応用編 | きんざいのみ | 記述式・事例形式(5題) | 150分(午後) |
| 実技試験(資産設計提案業務) | 日本FP協会 | 記述式(択一・語群選択・空欄記入・論述)2題20問 | 120分 |
| 実技試験(資産相談業務) | きんざい | 口述(面接)形式・設例をもとに2回面接 | 約12分×2回 |
📌 学科試験はきんざいが年3回(5月・9月・1月)実施します。実技試験はきんざいが年3回(6月・10月・2月)、日本FP協会が年1回(9月)実施します。学科と実技は同日受験不可で、学科合格後に実技を受験する流れです。
出題数と合格基準
| 試験 | 配点 | 合格基準 | 合格率の目安 |
|---|---|---|---|
| 学科試験(きんざい) | 200点満点(基礎100点+応用100点) | 120点以上(6割以上) | 約10〜15% |
| 実技試験(日本FP協会) | 100点満点 | 60点以上(6割以上) | 約85〜95% |
| 実技試験(きんざい) | 200点満点 | 120点以上(6割以上) | 約80〜90% |
⚠️ FP1級の最大の関門は学科試験です。合格率は約10〜15%と非常に低く、FP試験の中で最も難しいとされています。一方、実技試験は学科合格者のみが受験できるため合格率が高く(80〜95%)、学科突破が合否の分かれ目です。
受験資格
FP1級は学科試験と実技試験でそれぞれ受験資格が異なります。
学科試験の受験資格(きんざいのみ)
- 2級ファイナンシャル・プランニング技能検定の合格者で、FP業務に関し1年以上の実務経験を有する者
- FP業務に関し5年以上の実務経験を有する者
- 厚生労働省認定金融渉外技能審査2級の合格者で、1年以上の実務経験を有する者
実技試験の受験資格(FP協会・きんざい共通)
- 1級FP技能検定の学科試験合格者(合格日の翌々年度末まで有効)
- 日本FP協会のCFP®認定者
- 日本FP協会のCFP®資格審査試験の全6課目合格者(合格日の翌々年度末まで有効)
- きんざいのFP養成コース修了者で、FP業務に関し1年以上の実務経験を有する者(修了日の翌々年度末まで有効)
📌 実務経験がない場合でも「FP2級合格→AFP取得→CFP®全6課目合格」のルートで実技試験の受験資格を得ることができます。この場合、CFP®全6課目合格により学科試験が免除され、実技試験の合格のみでFP1級を取得できます。
免除要件
| 対象者 | 免除内容 |
|---|---|
| CFP®認定者 | 学科試験が全部免除→実技試験のみで1級取得可能 |
| CFP®資格審査試験の全6課目合格者 | 学科試験が全部免除→実技試験のみで1級取得可能(翌々年度末まで) |
| 1級学科試験の一部合格者 | 該当部分の免除(翌々年度末まで) |
受験手数料
| 試験 | 実施団体 | 手数料(非課税) |
|---|---|---|
| 学科試験 | きんざい | 8,900円 |
| 実技試験(資産設計提案業務) | 日本FP協会 | 20,000円 |
| 実技試験(資産相談業務) | きんざい | 28,000円 |
⚠️ FP1級の受験手数料は2級・3級と比べて大幅に高額です。特に実技試験はきんざいで28,000円、日本FP協会でも20,000円となっています。学科と実技が別日程のため合計費用にも注意が必要です。
実技試験の選び方
FP1級の実技試験はきんざいと日本FP協会で形式が大きく異なります。受験しやすい方を選びましょう。
| 実施団体 | 科目名 | 形式 | 実施回数 | こんな方に |
|---|---|---|---|---|
| 日本FP協会 | 資産設計提案業務 | 記述式(筆記) | 年1回(9月) | 面接が苦手・筆記で実力を発揮したい方 |
| きんざい | 資産相談業務 | 口述(面接) | 年3回(6月・10月・2月) | 早めに受験したい・口頭説明が得意な方 |
📌 日本FP協会の実技は年1回のみのため、タイミングが合わない場合は最大1年近く待つことになります。きんざいは年3回実施するため学科合格後すぐに受験できます。合格率はどちらも同程度(80〜95%)なので、スケジュールと自分の得意な試験形式で選ぶのがおすすめです。
出題科目一覧
FP1級の試験範囲はFP2級・3級と同じA〜Fの6分野ですが、より高度で実務的な内容が出題されます。各分野の詳細解説は、下のリンクから記事一覧へお進みください。
A. ライフプランニングと資金計画
社会保険・公的年金・中小法人の資金計画について、FP2級よりさらに実務的・応用的な視点で学びます。顧客への提案を前提とした計算や分析力が求められます。
B. リスク管理
個人・法人を問わず保険の税務・経理処理・活用方法を深く習得します。事業承継における保険活用など、実務に直結した高度な知識が問われます。
C. 金融資産運用
ポートフォリオ理論・デリバティブ・行動ファイナンスなど、高度な投資理論と金融市場の分析を学びます。マクロ経済の動向を踏まえた資産配分の提案力が求められます。
D. タックスプランニング
所得税・法人税・消費税を横断的に把握し、顧客の税負担を最適化するための実践的な税務知識を学びます。青色申告・各種特例の活用まで幅広く問われます。
E. 不動産
都市計画法・建築基準法の計算・不動産投資の収益性分析・有効活用・証券化まで、実務レベルの不動産知識を総合的に学びます。
F. 相続・事業承継
相続税・贈与税の実践的な計算から、非上場株式の評価・事業承継対策まで、オーナー経営者への提案に対応できる高度な知識を学びます。
参考リンク
本ページおよび各記事は、FP1級試験対策および一般的な学習目的で作成されたものです。掲載内容は作成時点の情報に基づいており、法令・制度の改正により変更される場合があります。実際の手続きや資産運用・保険加入については、最新の情報をご確認のうえ、必要に応じて専門家にご相談ください。