デリバティブ入門

📊 この記事の出題頻度:★★☆(中)
FP3級との主な違い:コール・プット各オプションの買い手・売り手の損益構造(最大利益・最大損失・損益分岐点)の計算・ヘッジ目的でのオプション活用・先物取引との違いが加わります。

オプション取引の基本

オプション取引とは、原資産(株式・株価指数など)を将来の一定期日に、あらかじめ決めた価格(権利行使価格)で「買う権利」または「売る権利」を売買する取引です。権利を買った側はその権利を行使するかどうかを選べますが、売った側は相手が権利を行使した場合に応じる義務があります。

種類内容プレミアム(オプション料)
コールオプション原資産を権利行使価格で「買う権利」買い手が売り手に支払う
プットオプション原資産を権利行使価格で「売る権利」買い手が売り手に支払う

4つのポジションの損益構造

ポジション最大利益最大損失損益分岐点(原資産価格)
コールオプション買い無限大(原資産価格上昇に伴い増加)プレミアム(払った分のみ)権利行使価格+プレミアム
コールオプション売りプレミアム(もらった分のみ)無限大(理論上)権利行使価格+プレミアム
プットオプション買い権利行使価格-プレミアム(原資産価格ゼロ時)プレミアム(払った分のみ)権利行使価格-プレミアム
プットオプション売りプレミアム(もらった分のみ)権利行使価格-プレミアム(最大)権利行使価格-プレミアム

⚠️ 重要な大原則
・オプション「買い手」の最大損失=支払ったプレミアム(権利を放棄すれば損失はプレミアムのみ)
・オプション「売り手」の最大利益=受け取ったプレミアム(それ以上の利益はない)
これを軸に損益構造を理解してください。

計算例:コールオプション買い

【設例】権利行使価格1,000円・プレミアム50円のコールオプションを購入した。
満期時の原資産価格別の損益は?

  • 原資産価格800円:権利放棄 → 損失はプレミアム50円のみ(-50円)
  • 原資産価格1,000円:権利行使しても意味なし → 損失-50円
  • 原資産価格1,050円:権利行使 → 利益1,050-1,000-50=0円(損益分岐点)
  • 原資産価格1,200円:権利行使 → 利益1,200-1,000-50=150円

計算例:プットオプション買い

【設例】権利行使価格1,000円・プレミアム30円のプットオプションを購入した。

  • 原資産価格1,200円:権利放棄 → 損失-30円(プレミアムのみ)
  • 原資産価格970円:権利行使 → 1,000-970-30=0円(損益分岐点)
  • 原資産価格800円:権利行使 → 1,000-800-30=170円の利益

オプションを使ったヘッジ戦略

保有資産懸念ヘッジ手段
株式を保有株価の下落リスクプットオプションを買う(下落時に利益)
株式を空売り株価の上昇リスクコールオプションを買う(上昇時に利益)

先物取引との違い

項目先物取引オプション取引
買い手の義務取引実行義務あり権利行使は任意(放棄可能)
売り手の義務取引実行義務あり買い手が行使した場合に応じる義務あり
損失の上限無制限(両者とも)買い手はプレミアムに限定

FP3級との主な違い

項目FP3級FP2級
オプションの種類コール・プットの概念4ポジション(買い・売り × コール・プット)の損益計算
損益分岐点触れない(権利行使価格±プレミアム)の計算
ヘッジ戦略触れない保有資産のリスクに合わせたオプション選択

まとめ

FP2級のオプション問題では「コール買い・コール売り・プット買い・プット売り」の4ポジションの損益構造を整理し、各ケースで損益分岐点(権利行使価格±プレミアム)を計算する力が必要です。買い手の最大損失=プレミアム、売り手の最大利益=プレミアムという大原則から出発して応用しましょう。

本記事は令和7年(2025年)分の法令および制度に基づき作成しています。税制・制度は毎年改正されることがあります。実際の手続き・申告・納税については、最新の法令および公式情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。本記事はFP2級試験対策および一般的な学習目的で作成されたものです。

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