小規模宅地等の特例

📊 この記事の出題頻度:★★★(高)
FP3級との主な違い:3種類の宅地の限度面積・減額割合の計算(面積超過時の按分)・特定居住用宅地の取得者別の適用要件(配偶者・同居親族・家なき子)・特例の適用で税額がゼロでも申告必要が加わります。

小規模宅地等の特例とは

小規模宅地等の特例は、被相続人の自宅・事業用宅地・貸付用宅地を相続した場合に、その土地の相続税評価額を大幅に減額できる特例です。都市部の不動産を持つ多くの方の相続税を大幅に軽減します。

3種類の宅地と限度面積・減額割合

宅地の種類限度面積減額割合主な例
特定居住用宅地等330㎡80%被相続人の自宅の敷地
特定事業用宅地等400㎡80%被相続人の事業(農業・商店等)の敷地
貸付事業用宅地等200㎡50%賃貸アパート・駐車場等の敷地

⚠️ 試験の最重要ポイント:数値の組み合わせは「居住用330㎡・80%」「事業用400㎡・80%」「貸付用200㎡・50%」です。貸付用は限度面積も減額割合も他の2つより低い点が頻出のひっかけです。

減額計算の方法

減額される金額 = 土地の評価額 × (限度面積 ÷ 実際の面積)× 減額割合

※土地の面積が限度面積以内の場合は、全体に減額割合を掛けます(面積按分不要)

計算例①:面積が限度面積以内の場合

【設例】特定居住用宅地(200㎡・評価額5,000万円)
200㎡ ≦ 330㎡(限度面積以内)→ 全体に80%減額
減額金額:5,000万円 × 80% = 4,000万円
特例適用後の評価額:5,000万円 – 4,000万円 = 1,000万円

計算例②:面積が限度面積超の場合

【設例】特定居住用宅地(500㎡・評価額5,000万円)
500㎡ > 330㎡(限度面積超) → 330㎡分のみ80%減額
減額金額:5,000万円 × (330㎡ ÷ 500㎡)× 80%
= 5,000万円 × 0.66 × 0.8 = 2,640万円
特例適用後の評価額:5,000万円 – 2,640万円 = 2,360万円

特定居住用宅地の取得者別の適用要件

取得者主な適用要件
配偶者要件なし(取得するだけで適用可)
同居していた親族相続開始時から申告期限まで継続して居住・所有していること
別居の親族(家なき子)①配偶者・同居相続人がいないこと ②相続開始前3年以内に自己・配偶者・3親等以内の親族等所有の家屋に居住していないこと ③申告期限まで所有し続けること

📌 家なき子の適用要件(頻出):家なき子の要件は厳格で、「3年以内に自分または配偶者や一定の親族が所有する家に住んでいないこと」が必要です。自分が賃貸に住んでいても、3年以内に自己所有の別宅がある場合や、配偶者所有の家に住んでいた場合は適用できません。

特例適用の重要な注意点

  • 申告なし=特例なし:特例適用で相続税がゼロになっても相続税申告書の提出が必要。申告しないと特例が認められない
  • 申告期限まで保有・継続利用が原則:申告期限(相続開始を知った日から10か月以内)までに売却すると特例が使えない
  • 未分割での申告:遺産分割が確定していない土地は、原則として特例を適用できない(分割見込書の提出で一定猶予あり)

居住用+事業用の併用(最大730㎡まで)

特定居住用宅地(330㎡)と特定事業用宅地(400㎡)はそれぞれ独立した限度面積で合計730㎡まで併用可能です。一方、貸付事業用宅地を含む場合は以下の計算式で限度面積の調整が必要です。

居住用面積×200/330 + 事業用面積×200/400 + 貸付用面積 ≦ 200㎡

FP3級との主な違い

項目FP3級FP2級
限度面積・減額割合330㎡・80%の概念3種類(居住330・80%、事業400・80%、貸付200・50%)と面積按分計算
取得者別の要件触れない配偶者(要件なし)・同居親族・家なき子(3年ルール等)
申告の必要性触れない特例でゼロでも申告必要

まとめ

小規模宅地等の特例の核心は「居住用330㎡80%・事業用400㎡80%・貸付用200㎡50%」という3つの数値セットです。面積が限度を超える場合は「評価額×(限度面積÷実際面積)×減額割合」で按分計算します。特例適用でゼロになっても申告が必要な点は最重要の落とし穴です。

本記事は令和7年(2025年)分の法令および制度に基づき作成しています。税制・制度は毎年改正されることがあります。実際の手続き・申告・納税については、最新の法令および公式情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。本記事はFP2級試験対策および一般的な学習目的で作成されたものです。

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