📊 この記事の出題頻度:★★★(高)
FP3級との主な違い:給与所得・不動産所得など複数の所得を合算して課税所得を求め、速算表で所得税額を計算する演習問題・一時所得の×1/2・総所得金額の算出ステップが加わります。
所得税計算の全体フロー(FP2級の核心)
所得税は「収入→所得→総所得金額→課税所得→税額」という流れで計算します。FP2級ではこの流れを複数の所得が混在する設例で実際に計算できることが求められます。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ①各種所得の計算 | 10種類の所得ごとに「収入-必要経費(控除)」を計算 |
| ②損益通算 | 損失のある所得と利益のある所得を通算(不・事・山・譲の損失は他の所得と通算可) |
| ③総所得金額の算出 | 総合課税の所得を合算(一時所得は×1/2、長期譲渡所得も×1/2で算入) |
| ④所得控除の適用 | 基礎控除・社会保険料控除・配偶者控除・扶養控除等を差し引く |
| ⑤課税所得金額の算出 | 総所得金額-所得控除合計 |
| ⑥税額の計算 | 課税所得金額に速算表を適用して所得税額を算出 |
| ⑦税額控除 | 住宅ローン控除・配当控除などを差し引く |
給与所得控除の計算(2025年分・令和7年分)
給与所得 = 給与収入 – 給与所得控除額
| 給与収入(年額) | 給与所得控除額 |
|---|---|
| 162.5万円以下 | 65万円(2025年改正、従来は55万円) |
| 162.5万円超〜180万円以下 | 給与収入×40%-10万円 |
| 180万円超〜360万円以下 | 給与収入×30%+8万円 |
| 360万円超〜660万円以下 | 給与収入×20%+44万円 |
| 660万円超〜850万円以下 | 給与収入×10%+110万円 |
| 850万円超 | 195万円(上限) |
⚠️ 2025年(令和7年)改正:給与所得控除の最低保障額が55万円から65万円に引き上げられました(2025年分の所得税から適用)。基礎控除も48万円から58万円(合計所得2,350万円以下)に引き上げ。FP2級CBT試験(2025年6月〜2026年5月)では2025年分の改正後の数値で出題されます。
所得税の速算表(2025年分)
| 課税所得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 195万円以下 | 5% | 0円 |
| 195万円超〜330万円以下 | 10% | 97,500円 |
| 330万円超〜695万円以下 | 20% | 427,500円 |
| 695万円超〜900万円以下 | 23% | 636,000円 |
| 900万円超〜1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
| 1,800万円超〜4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
| 4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
所得税額 = 課税所得金額 × 税率 – 控除額
総合課税計算の演習
【設例】Aさん(会社員)の令和7年分の各種所得と控除は以下のとおり。
- 給与収入:700万円
- 不動産所得:50万円(黒字)
- 所得控除の合計:200万円(社会保険料控除100万円+基礎控除58万円+その他)
Step1:給与所得を計算
給与所得控除 = 700万円 × 10% + 110万円 = 180万円
給与所得 = 700万円 – 180万円 = 520万円
Step2:総所得金額を計算
総所得金額 = 給与所得520万円 + 不動産所得50万円 = 570万円
Step3:課税所得金額を計算
課税所得金額 = 570万円 – 200万円 = 370万円
Step4:所得税額を計算(速算表:330万円超〜695万円以下の区分)
所得税額 = 370万円 × 20% – 427,500円 = 740,000円 – 427,500円 = 312,500円
一時所得の総所得金額への算入
一時所得は、総所得金額に算入する際に1/2になります。生命保険の一時金や懸賞金が典型例です。
一時所得の金額 = 収入 – 支出 – 特別控除(最大50万円)
総所得金額に算入する額 = 一時所得の金額 × 1/2
📌 FP2級でよく出る一時所得の例:生命保険の満期保険金(契約者=受取人)・懸賞金・競馬の払戻金。一時所得がプラスでも総所得金額に算入されるのは「×1/2」した後の金額です。
主な所得控除の2025年分の金額
| 所得控除の種類 | 2025年分の金額・概要 |
|---|---|
| 基礎控除 | 58万円(合計所得2,350万円以下)、段階的に逓減し2,500万円超はゼロ |
| 社会保険料控除 | 支払った全額(上限なし) |
| 配偶者控除 | 最大38万円(配偶者の合計所得48万円以下かつ納税者の合計所得900万円以下) |
| 扶養控除 | 38万円(一般)・63万円(特定扶養:19〜22歳)・58万円(老人扶養70歳以上) |
| 生命保険料控除 | 一般・介護医療・個人年金それぞれ最大4万円(合計最大12万円) |
| 地震保険料控除 | 支払保険料の全額(上限5万円) |
FP3級との主な違い
| 項目 | FP3級 | FP2級 |
|---|---|---|
| 所得税計算 | 単一所得の概念 | 給与+不動産など複数所得を合算して税額まで計算 |
| 一時所得の扱い | ×1/2の概念 | 総所得金額算入額を計算(特別控除後×1/2) |
| 速算表 | 概念のみ | 課税所得に速算表を当てはめて税額を計算 |
| 2025年改正 | なし | 給与所得控除65万円・基礎控除58万円(令和7年分) |
まとめ
FP2級の所得税計算の中心は「複数所得→総所得金額→課税所得→速算表で税額」という7ステップです。2025年分の改正(給与所得控除65万円・基礎控除58万円)の数値を使い、一時所得の×1/2算入、速算表による税額計算を繰り返し練習しましょう。
本記事は令和7年(2025年)分の法令および制度に基づき作成しています。税制・制度は毎年改正されることがあります。実際の手続き・申告・納税については、最新の法令および公式情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。本記事はFP2級試験対策および一般的な学習目的で作成されたものです。
