保障保険

📊 この記事の出題頻度:★★☆(中)
FP3級との主な違い:就業不能保険と所得補償保険の給付額計算・免責期間の考え方・健康保険の傷病手当金との組み合わせ・給付期間・自営業者と会社員の違いが加わります。

就業不能保険と所得補償保険の違い

病気やケガで働けなくなった場合の収入減少に備える保険として、「就業不能保険」と「所得補償保険」があります。FP2級ではこの2つの違いと給付の仕組みを正確に区別することが重要です。

項目就業不能保険所得補償保険
保険の分類生命保険(第三分野)損害保険(第三分野)
給付の基準就業不能状態に該当するかどうか(定額給付が多い)実際の収入減少額に基づく(損害填補型)
給付額設定した月額が支給される(定額型が主流)月収×補償割合(例:月収の60〜70%)
保険期間1年更新または長期(終身型もある)1年更新が基本
給付限度設定した給付期間(2年・5年・60歳まで等)最長2年間が一般的
自営業者への適用適用可能適用可能(月収の算定方法が異なる場合)

免責期間(待機期間)

就業不能保険・所得補償保険ともに、就業不能状態になってから給付が始まるまでの間に「免責期間(待機期間)」が設定されています。

📌 免責期間の設定例:30日・60日・90日・180日など。免責期間が長いほど保険料は安くなります。会社員は傷病手当金(最長1年6か月)があるため、免責期間を長く設定して保険料を抑えることが合理的です。自営業者は傷病手当金がないため、免責期間を短めに設定することを検討します。

健康保険の傷病手当金との組み合わせ

会社員が病気・ケガで働けなくなった場合、健康保険から傷病手当金が支給されます。就業不能保険はこの傷病手当金の終了後や不足分を補う役割を持ちます。

制度支給期間給付額対象者
傷病手当金(健康保険)最長1年6か月(通算)標準報酬月額 ÷ 30 × 2/3 × 支給日数会社員・公務員(国保は原則なし)
就業不能保険設定した給付期間(免責期間後から)月額給付金(定額設定)会社員・自営業者とも加入可

⚠️ 重要:国民健康保険には傷病手当金制度がありません(一部の市区町村で任意実施を除く)。自営業者・個人事業主は傷病手当金が受け取れないため、就業不能リスクへの私的な備えが特に重要です。試験でよく問われる比較ポイントです。

給付額の計算例

所得補償保険の給付額計算

【設例】月収50万円の自営業者Bさんが、所得補償保険(補償割合60%・免責期間30日・給付限度2年)に加入。病気で90日間就業不能になった場合の給付額は?

給付対象期間:90日 – 30日(免責期間)= 60日(2か月)
月額給付金:50万円 × 60% = 30万円
給付額:30万円 × 2か月 = 60万円

傷病手当金と就業不能保険の組み合わせ

【設例】月収(標準報酬月額)30万円の会社員Cさん。傷病手当金と就業不能保険(月額20万円・免責90日)に加入。1年(360日)就業不能になった場合:

傷病手当金(日額):30万円 ÷ 30 × 2/3 = 6,667円/日
傷病手当金(1年分):6,667円 × 360日 = 約240万円
就業不能保険(免責90日経過後):20万円 × 9か月 = 180万円
1年間の合計受取額(重複受給あり):240万円 + 180万円 = 420万円

📌 就業不能保険は定額給付のため、傷病手当金との重複受給が可能です。一方、所得補償保険は損害填補の考え方を持つため、他の収入・給付との調整が行われる場合があります(保険会社によって異なる)。

就業不能の定義と判定

保険会社によって就業不能の定義は異なりますが、一般的には以下の段階で判定されます。

  • 入院中:ほとんどの保険で給付対象
  • 在宅療養中:保険によっては対象、対象外の場合もある(「入院支払型」のみの場合)
  • 精神疾患:うつ病等の精神疾患が対象かどうかは商品による(一般的には支払対象だが一部除外あり)

FP3級との主な違い

項目FP3級FP2級
就業不能保険・所得補償保険概念のみ給付額計算(月収×補償割合・免責期間の差し引き)
傷病手当金との関係概念のみ計算して組み合わせた受取総額を求める
自営業者と会社員の比較触れない傷病手当金の有無・免責期間設定の考え方の違い

まとめ

FP2級では就業不能保険(生命保険・定額型)と所得補償保険(損害保険・実損填補型)の違いを正確に把握した上で、免責期間を差し引いた給付計算ができることが重要です。特に会社員は傷病手当金(月収÷30×2/3)、自営業者は傷病手当金なし、という違いと組み合わせた設例問題が頻出です。

本記事は令和7年(2025年)分の法令および制度に基づき作成しています。税制・制度は毎年改正されることがあります。実際の手続き・申告・納税については、最新の法令および公式情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。本記事はFP2級試験対策および一般的な学習目的で作成されたものです。

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