相続税の計算

📊 この記事の出題頻度:★★★(高)
FP3級との主な違い:法定相続分に応じた仮按分→税額合計→実際の取得割合で再按分という相続税計算の全ステップ・2割加算・配偶者の税額軽減(1億6,000万円)・未成年者控除・障害者控除の計算が加わります。

相続税計算の全体フロー(6ステップ)

ステップ内容
①課税価格の計算遺産総額+みなし相続財産(死亡保険金等)-非課税財産-債務・葬儀費用+生前贈与加算
②課税遺産総額の算出課税価格合計-基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)
③法定相続分で仮按分課税遺産総額を法定相続分で按分し、各人の取得金額(仮)を算出
④各人の税額計算(仮)各人の取得金額(仮)に速算表の税率を適用して税額を計算
⑤相続税の総額確定④の各人の税額(仮)を合計する
⑥各人の実際の相続税額相続税総額×(その人の実際の取得割合)+2割加算-各種税額控除

📌 計算の核心:相続税の総額計算(③〜⑤)は実際の遺産分割方法に関係なく、「法定相続分通りに分割したと仮定」して行います。その後、⑥で実際の取得割合で按分します。これにより恣意的な分割による税額の差異が生じないようにしています。

基礎控除の計算と法定相続人のカウント

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

法定相続人のカウントのルール取り扱い
相続放棄した人カウントに含める(放棄しても人数には数える)
養子(実子がいる場合)1人まで
養子(実子がいない場合)2人まで
代襲相続人カウントに含める

相続税の速算表

法定相続分に応じた取得金額税率控除額
1,000万円以下10%0円
1,000万円超〜3,000万円以下15%50万円
3,000万円超〜5,000万円以下20%200万円
5,000万円超〜1億円以下30%700万円
1億円超〜2億円以下40%1,700万円
2億円超〜3億円以下45%2,700万円
3億円超〜6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

相続税計算の演習

【設例】課税遺産総額1億円・法定相続人:妻・長男・次男(3人)

③仮按分(法定相続分:妻1/2・長男1/4・次男1/4)
妻:1億円 × 1/2 = 5,000万円
長男:1億円 × 1/4 = 2,500万円
次男:1億円 × 1/4 = 2,500万円

④各人の税額(仮)
妻:5,000万円 × 20% – 200万円 = 800万円
長男:2,500万円 × 15% – 50万円 = 325万円
次男:2,500万円 × 15% – 50万円 = 325万円

⑤相続税の総額:800万円 + 325万円 + 325万円 = 1,450万円

主な税額控除と加算

種類内容
配偶者の税額軽減配偶者の取得財産が法定相続分または1億6,000万円のいずれか大きい方以下→相続税ゼロ
2割加算配偶者と1親等の血族(子・父母)以外→相続税額に2割加算(孫・兄弟姉妹等)
未成年者控除(18歳 – 相続時の年齢)× 10万円(年未満切捨て)
障害者控除(85歳 – 相続時の年齢)× 10万円(特別障害者は20万円)
贈与税額控除相続前7年以内の暦年贈与で払った贈与税を控除(二重課税防止)
相次相続控除10年以内に2回相続があった場合の2回目の相続税を軽減

⚠️ 2割加算の対象(試験頻出):相続人が孫(代襲相続人を除く)・兄弟姉妹・甥・姪・友人(遺贈)の場合は2割加算となります。代襲相続人の孫は加算なし、遺産を遺贈された孫は加算あり、という違いが問われます。

FP3級との主な違い

項目FP3級FP2級
相続税計算基礎控除の概念6ステップ全体の計算・法定相続分での仮按分→実際の按分
2割加算概念のみ対象者の判定(代襲相続人の孫は除外・遺贈の孫は加算)
未成年者・障害者控除触れない計算式(18歳・85歳から引いて×10万円)

試験対策:よく問われるポイント一覧

  • 基礎控除:3,000万円+600万円×法定相続人の数(放棄した人も含む)
  • 養子の人数カウント:実子あり→1人まで・実子なし→2人まで
  • 2割加算:配偶者と1親等の血族以外(孫・兄弟・甥姪等)に適用
  • 配偶者の税額軽減:法定相続分または1億6,000万円の大きい方まで非課税
  • 未成年者控除:(18歳-相続時年齢)×10万円

まとめ

相続税計算の最大の特徴は「法定相続分で仮按分して総額を計算し、その後実際の取得割合で按分する」という二段階の構造です。基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人)、配偶者控除(1億6,000万円or法定相続分の大きい方)、2割加算(孫・兄弟・甥姪等)の3点を特に確実に覚えてください。

本記事は令和7年(2025年)分の法令および制度に基づき作成しています。税制・制度は毎年改正されることがあります。実際の手続き・申告・納税については、最新の法令および公式情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。本記事はFP2級試験対策および一般的な学習目的で作成されたものです。

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