法人定期保険

📊 この記事の出題頻度:★★★(高)
FP3級との主な違い:法人が定期保険の保険料を支払う際の経理処理ルール(最高解約返戻率による区分)・逓増定期保険と逓減定期保険の違い・養老保険のハーフタックスプランが加わります。

法人保険の経理処理の基本(2019年改正後)

法人が役員・従業員を被保険者とする定期保険・第三分野保険の保険料を支払う場合、2019年7月8日以後の契約については最高解約返戻率に応じた経理処理ルールが適用されます。FP2級ではこの区分を理解して損金算入・資産計上の判断ができることが求められます。

最高解約返戻率による区分と経理処理(2019年7月8日以後の契約)

最高解約返戻率資産計上期間と割合取崩期間
50%以下(または年換算保険料30万円以下)全額損金算入なし
50%超〜70%以下(年換算保険料30万円超)前半4割期間:保険料の40%を資産計上(60%損金)後半期間に均等取崩
70%超〜85%以下前半4割期間:保険料の60%を資産計上(40%損金)後半期間に均等取崩
85%超当初10年:保険料×最高解約返戻率×90%を資産計上
10年超:保険料×最高解約返戻率×70%を資産計上
解約返戻金最大後に均等取崩

⚠️ 試験の重要ポイント:最高解約返戻率50%以下は全額損金、50%超70%以下は40%を資産計上(60%損金)、70%超85%以下は60%を資産計上(40%損金)という区分を確実に押さえてください。「最高解約返戻率が高いほど資産計上割合が多い(損金算入が少ない)」という大原則も重要です。

計算例:最高解約返戻率75%の定期保険

【設例】法人が最高解約返戻率75%の定期保険(保険期間30年)に加入。年間保険料100万円。
→ 70%超85%以下の区分に該当

保険期間前半4割(30年×0.4=12年間)の各年の経理処理:
資産計上(前払保険料):100万円 × 60% = 60万円
損金算入(支払保険料):100万円 × 40% = 40万円

📌 保険期間後半(取崩期間)になると、保険料の全額を損金算入しながら、資産計上した前払保険料を均等に取り崩して損金算入します。保険期間を通算すると損金算入の合計は保険料総額と同額になります(損金算入のタイミングの問題)。

終身保険・養老保険の経理処理

保険の種類・受取人区分保険料の経理処理
終身保険(死亡保険金受取人:法人)全額を保険料積立金として資産計上
養老保険(死亡・満期受取人ともに法人)全額を保険料積立金として資産計上
養老保険(死亡受取人:遺族、満期受取人:法人)
【ハーフタックスプラン】
1/2を保険料積立金(資産計上)
1/2を福利厚生費(損金算入)
解約返戻金のない医療保険・がん保険(受取人:法人)全額損金算入

⚠️ ハーフタックスプラン(養老保険)の要件:役員・従業員の全員を被保険者とすること(特定の役員のみでは福利厚生費にならず給与課税)。死亡保険金受取人が遺族で満期受取人が法人の場合に1/2損金算入が認められます。試験でよく問われるポイントです。

逓増定期保険と逓減定期保険

定期保険の中でも保険金額が変化するタイプが逓増・逓減定期保険です。FP2級では特徴と適した利用場面を問われます。

種類保険金額の変化保険料適した利用場面
逓増定期保険保険期間の経過とともに増加(最大5倍まで)一定事業拡大期の経営者保障・退職金準備
逓減定期保険保険期間の経過とともに減少一定(通常の定期より割安)住宅ローンの残高に合わせた保障(団体信用生命保険のベース)

📌 逓増定期保険の経理処理:最高解約返戻率による区分が通常の定期保険と同様に適用されます。逓増定期保険は解約返戻率が高くなりやすいため、85%超の区分に該当するケースが多く、資産計上割合が大きくなります。

収入保障保険の特徴

収入保障保険は、被保険者が死亡した場合に、残りの保険期間にわたって毎月または毎年の年金形式で保険金が支払われる定期保険の一種です。

  • 保険期間の経過とともに受け取れる総額(保障総額)が逓減していく
  • 一般的な定期保険より保険料が割安な傾向がある
  • 一時金での受け取りも可能だが、一時金額は年金現価で計算するため年金受取額の合計より少ない

保険金受取時の経理処理

法人が死亡保険金や解約返戻金を受け取った際の経理処理も重要です。

受取場面経理処理
死亡保険金・解約返戻金受取(定期保険)受取額を雑収入として益金算入し、同時に資産計上している前払保険料を取り崩して損金算入
受取額 > 資産計上額差額は雑収入(益金)として計上
受取額 < 資産計上額差額は雑損失(損金)として計上

FP3級との主な違い

項目FP3級FP2級
定期保険料の経理処理触れない最高解約返戻率による区分(4段階)で損金・資産を判定
ハーフタックスプラン概念のみ1/2損金算入の要件(全員加入・受取人の区分)
逓増・逓減定期保険概念のみ特徴・適した場面・経理処理の考え方
保険金受取時の経理触れない差額の益金・損金算入の処理

まとめ

FP2級の定期保険経理処理は2019年改正後のルールが試験の中心です。最高解約返戻率の4段階区分(50%以下・50〜70%・70〜85%・85%超)と各資産計上割合(全額損金・40%・60%・最高解約返戻率×90%/70%)を対応させて覚えましょう。ハーフタックスプランの「全員加入・受取人の区分(死亡=遺族・満期=法人)・1/2損金」の3点もセットで押さえてください。

本記事は令和7年(2025年)分の法令および制度に基づき作成しています。税制・制度は毎年改正されることがあります。実際の手続き・申告・納税については、最新の法令および公式情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。本記事はFP2級試験対策および一般的な学習目的で作成されたものです。

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