事業承継

📊 この記事の出題頻度:★★☆(中)
FP3級との主な違い:自社株の相続税評価方法(類似業種比準方式・純資産価額方式・配当還元方式の使い分け)・事業承継税制(猶予制度)・中小企業の株式承継の特例が加わります。

事業承継の方法

中小企業の事業承継には主に3つの方法があります。

方法内容特徴
親族内承継子・配偶者等の親族に株式を承継最も一般的・自社株の相続・贈与が中心
従業員承継(MBO等)役員・従業員が買い取って引き継ぐ会社を知っているが資金調達が課題
M&A第三者に株式を売却して承継後継者不在でも売却可能・価格交渉が重要

自社株の相続税評価方法(取引相場のない株式)

上場していない中小企業の株式は「取引相場のない株式」として以下の評価方法で評価します。評価する側(株主)の立場と会社の規模によって方式が変わります。

評価方式適用される株主評価の考え方
原則的評価方式同族株主等(支配権を持つ大株主)会社の実態を重視した評価
特例的評価方式(配当還元方式)少数株主(同族株主以外・持分が小さい)受取配当金を基準にした評価(低くなる)

原則的評価方式の3種類

評価方式内容主な適用
類似業種比準方式類似の上場企業と、①配当②利益③純資産を比較して評価大会社(従業員数・取引額が大きい)
純資産価額方式会社の純資産(時価)を1株あたりに換算して評価小会社・清算価値重視の評価
折衷方式(類似業種比準+純資産価額)上記2つを一定割合で組み合わせ中会社

📌 会社規模と評価方式の対応(試験頻出):大会社→類似業種比準方式(または純資産価額方式との折衷)が原則。小会社→純資産価額方式(または折衷)が原則。株主が少数株主(同族株主以外)なら配当還元方式が適用されるため、評価額が大幅に低くなります。

事業承継税制(納税猶予制度)

自社株を後継者に承継する際、相続税・贈与税の一定額を猶予(将来的には免除も可能)する制度です。2018年から「特例措置」が導入され、要件が大幅に緩和されました。

項目一般措置特例措置(〜2027年3月末まで申請)
対象株数発行済株式の2/3まで全株式(100%)
猶予割合(贈与税)100%100%
猶予割合(相続税)80%100%
後継者の数1人最大3人まで

⚠️ 納税猶予の取消要件:後継者が5年以内に会社の代表者でなくなった場合・5年以内に雇用の80%未満になった場合等は猶予が取り消されて全額を納付しなければなりません。この「5年・80%」という数値も試験で問われます。

FP3級との主な違い

項目FP3級FP2級
自社株の評価方法触れない3方式(類似業種比準・純資産価額・配当還元)の使い分け
事業承継税制触れない一般措置と特例措置の違い・猶予割合・取消要件
M&A触れない株式の売却による承継の概念

試験対策:よく問われるポイント一覧

  • 大会社→類似業種比準方式・小会社→純資産価額方式
  • 少数株主(同族株主以外)→配当還元方式(最も低い評価)
  • 事業承継税制の特例措置:全株・相続税100%猶予・後継者3人まで
  • 納税猶予の取消要件:5年以内に代表者でなくなる・雇用80%未満
  • 特例措置の申請期限:2027年3月末まで

まとめ

事業承継のFP2級重要ポイントは自社株の評価方法です。「大会社→類似業種比準方式・小会社→純資産価額方式・少数株主(同族株主以外)→配当還元方式」という対応関係を押さえてください。

本記事は令和7年(2025年)分の法令および制度に基づき作成しています。税制・制度は毎年改正されることがあります。実際の手続き・申告・納税については、最新の法令および公式情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。本記事はFP2級試験対策および一般的な学習目的で作成されたものです。

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