教育資金・住宅資金設計

CFP

概要

教育資金と住宅資金は、多くの家庭にとって老後資金と並ぶ「人生の三大資金」です。いずれも金額が大きく、準備期間・調達方法の選択が家計全体に大きな影響を与えます。CFP試験では、各制度の要件・金額・返済条件の数値が問われるほか、住宅ローン控除の計算問題も頻出です。

本記事では、教育資金については国の教育ローンと日本学生支援機構の奨学金制度を、住宅資金については購入可能額の算出・住宅ローンの種類・住宅ローン控除を解説します。各制度の数値(融資限度額・金利・控除率など)は試験に直結しますので、正確に押さえておきましょう。

教育資金の準備

教育資金の準備方法としては、貯蓄・学資保険・NISA等による資産形成のほか、公的な融資制度や奨学金制度を活用する方法があります。ここでは試験で問われる公的制度を中心に解説します。

教育一般貸付(国の教育ローン)

教育一般貸付は、日本政策金融公庫が取り扱う公的な教育ローンです。民間の教育ローンと比べて低金利で利用できます。主な内容は以下の通りです。

項目内容
取扱機関日本政策金融公庫
融資限度額学生1人につき350万円以内(一定の条件を満たす場合は450万円以内)
金利固定金利(利率は時点によって異なる)
返済期間最長18年
返済方法元利均等返済(在学中は利息のみの返済も可)
対象高校・大学・専修学校等に入学・在学する子どもを持つ保護者
所得制限あり(世帯の年間収入に上限が設けられている)

教育一般貸付は「借りる側(保護者)」が返済義務を負う融資制度です。後述の奨学金(学生本人が返済)とは、借主が異なる点に注意しましょう。両制度は併用可能です。

日本学生支援機構の奨学金制度

日本学生支援機構(JASSO)の奨学金には、卒業後に返還が必要な「貸与型」と、返還不要の「給付型」があります。

貸与型奨学金

貸与型奨学金は第一種(無利子)と第二種(有利子)に分かれます。

区分利子採用基準返還方法
第一種奨学金無利子特に優れた学生(学力・家計基準とも厳しい)卒業後に月賦・半年賦で返還
第二種奨学金有利子(在学中は無利子)第一種より緩やか卒業後に月賦・半年賦で返還

返還方法には、毎月一定額を返還する「定額返還方式」と、前年の所得に応じて返還額が変わる「所得連動返還方式」があります。第一種奨学金は両方式を選択できますが、第二種奨学金は定額返還方式のみです。

給付型奨学金

給付型奨学金は返還不要の奨学金で、住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯の学生が対象です。大学・短期大学・高等専門学校・専修学校(専門課程)に進学する学生に支給されます。授業料・入学金の減免制度(高等教育の修学支援新制度)と併用して活用されます。

住宅資金設計

購入可能な物件価格の算出

住宅購入にあたっては、「いくらまでの物件を買えるか」を事前に試算することが重要です。一般的な考え方として、年間返済額が年収の25〜35%以内に収まるよう設定することが目安とされています。

購入可能額は「自己資金+借入可能額」で求めます。借入可能額は、毎月の返済可能額・借入期間・金利をもとに年金現価係数を用いて算出します。なお、購入にあたっては物件価格のほかに、諸費用(仲介手数料・登記費用・印紙税・火災保険料など)が物件価格の3〜10%程度かかることも考慮が必要です。

住宅ローンの知識

住宅ローンの金利タイプは大きく3種類に分かれます。

金利タイプ特徴メリット・デメリット
固定金利型借入時から完済まで金利が変わらない返済額が一定で計画を立てやすい。金利上昇リスクなし。一般に変動より金利が高め
変動金利型市場金利に連動して半年ごとに金利が見直される低金利時は返済額が少ない。金利上昇時に返済額が増えるリスクあり
固定金利期間選択型一定期間(3・5・10年等)は固定、その後変動または再選択固定期間中は安定。期間終了後の金利動向によってリスクが生じる

返済方法には「元利均等返済」と「元金均等返済」があります。元利均等返済は毎月の返済額が一定で家計管理がしやすい一方、元金均等返済は返済当初の負担が大きいものの、総返済額は元金均等返済の方が少なくなります。

公的住宅ローンと民間住宅ローン

かつては年金資金による財形住宅融資や公庫融資(現在は廃止)などの公的住宅ローンが主流でしたが、現在の公的住宅ローンの代表は以下の通りです。

  • フラット35(住宅金融支援機構):民間金融機関と住宅金融支援機構が提携した長期固定金利の住宅ローンです。返済期間は最長35年、全期間固定金利で返済額が安定しています。省エネ性能が高い住宅には金利優遇(フラット35S等)が適用されます。
  • 財形住宅融資:財形貯蓄を1年以上継続し、残高が50万円以上ある勤労者が利用できる低利の融資制度です。

住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)

住宅ローン控除は、住宅ローンを利用して住宅を取得・増改築した場合に、年末のローン残高の一定割合を所得税(および住民税)から控除できる制度です。

項目内容
控除率年末ローン残高の0.7%
控除期間新築住宅:原則13年/中古住宅:10年
借入限度額住宅の環境性能・入居年によって異なる(省エネ基準適合住宅等は上限が高い)
所得要件合計所得金額が2,000万円以下
床面積要件50㎡以上(合計所得金額1,000万円以下の場合は40㎡以上)
居住要件取得後6か月以内に居住し、控除を受ける各年の12月31日まで居住していること

住宅ローン控除は令和4年(2022年)の税制改正で控除率が1.0%から0.7%に引き下げられました。改正前後の制度を混同しないよう注意が必要です。試験では改正後の0.7%・13年(新築)の数値で出題されます。

所得税から控除しきれない額は、一定の限度額まで翌年の住民税から控除されます。また、給与所得者は取得した年のみ確定申告が必要で、翌年以降は年末調整で控除を受けることができます。

試験の重要ポイント

教育資金制度の数値を整理する

制度借主融資・支給限度額利子
教育一般貸付(国の教育ローン)保護者350万円以内(条件付き450万円以内)固定金利(有利子)
第一種奨学金(JASSO)学生本人学校種・自宅/自宅外により異なる無利子
第二種奨学金(JASSO)学生本人月額2〜12万円の範囲で選択有利子(年3%上限)

住宅ローン控除の計算手順

試験では「年末ローン残高×0.7%」で控除額を求める計算が出題されます。控除額が所得税額を超える場合は、超過分を住民税から差し引く処理があることも合わせて押さえておきましょう。住民税からの控除限度額は所得税の課税総所得金額等の5%(最高97,500円)です。

フラット35と民間変動金利ローンの比較

フラット35(全期間固定)と民間の変動金利型ローンの特徴を比較する問題が出題されることがあります。フラット35は「民間金融機関が実行し、住宅金融支援機構が買い取る」という仕組み(証券化)である点、保証料・繰上返済手数料が不要である点が特徴です。

参考・出典

  • 日本FP協会「CFP資格審査試験 出題範囲」
  • 日本政策金融公庫「教育一般貸付(国の教育ローン)」
  • 日本学生支援機構「奨学金制度の種類と概要」
  • 住宅金融支援機構「フラット35」
  • 国税庁「住宅借入金等特別控除」

本記事は令和7年(2025年)分の法令および制度に基づき作成しています。税制・法令は毎年改正されることがあります。実際の申告・手続きについては、最新の情報を確認するとともに、税理士・弁護士等の専門家にご相談ください。本記事はCFP試験対策および一般的な学習目的で作成されたものです。

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