配当控除と損益通算

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FP3級との主な違い:配当所得の3つの課税方式(申告不要・総合課税・申告分離課税)の選択判断・配当控除の計算・上場株式の譲渡損失との損益通算の可否が加わります。

配当所得の課税方式:3択から選べる

上場株式等の配当所得は、課税方式を納税者が選択できます。FP2級では「どの方式がどのような場合に有利か」を判断できることが求められます。

課税方式概要配当控除損益通算
申告不要(源泉分離課税)源泉徴収(20.315%)で完結。確定申告不要受けられないできない
総合課税(確定申告)他の所得と合算して課税。累進税率が適用受けられる(配当控除)できない
申告分離課税(確定申告)他の所得と分離して20.315%で課税受けられない上場株式等の譲渡損失と通算可

⚠️ 課税方式選択のポイント
・課税所得が低い人(税率5〜10%)→ 総合課税を選んで配当控除を受けると有利
・上場株式の譲渡損失がある人→ 申告分離課税を選んで損益通算すると有利
・課税所得が高く配当控除の効果より累進課税の負担が大きい人→ 申告不要が有利

配当控除の計算

総合課税を選んだ場合に利用できる配当控除は、二重課税(法人税と所得税の重複)を調整するための税額控除です。

対象課税総所得金額1,000万円以下の部分課税総所得金額1,000万円超の部分
剰余金の配当等(国内株式)10%5%
証券投資信託の分配金5%2.5%

📌 配当控除は税額控除なので、課税所得×税率で求めた税額からさらに差し引けます。例えば配当所得100万円(課税総所得1,000万円以下の部分)を総合課税した場合、配当控除 = 100万円 × 10% = 10万円を税額から控除できます。

上場株式の譲渡損失との損益通算

申告分離課税を選択した場合のみ、上場株式等の譲渡損失と配当所得の損益通算が可能です。

【計算例】上場株式の譲渡損失:-50万円・配当所得(申告分離課税選択):30万円
損益通算後:-50万円+30万円=-20万円(配当への課税はゼロ・20万円が繰越)

⚠️ 重要:総合課税または申告不要を選んだ配当所得は、上場株式等の譲渡損失との損益通算ができません。損益通算できるのは「申告分離課税」を選択した配当所得のみです。この点はFP2級でよく問われます。

外国株式の配当

外国株式の配当金は、現地(例:米国は10%)での源泉徴収と日本での課税が二重になります。確定申告して外国税額控除を適用すると、外国での課税分を日本の税額から差し引くことができます。ただしNISA口座の配当には外国税額控除が受けられません。

FP3級との主な違い

項目FP3級FP2級
配当の課税方式総合課税が原則の概念3方式の特徴と有利判定・配当控除の計算
損益通算触れない申告分離課税のみ譲渡損失と通算可能
外国税額控除触れない概念とNISAとの組み合わせ

試験対策:よく問われるポイント一覧

  • 配当控除(税額控除)は総合課税を選んだ場合のみ適用可能
  • 上場株式の譲渡損失との損益通算は申告分離課税を選んだ場合のみ可能
  • 課税所得が低い人は総合課税(配当控除)が有利なケースが多い
  • 課税所得が高い人は申告不要(源泉分離)が有利なケースが多い
  • NISA口座の配当への外国税額控除は受けられない

まとめ

配当所得の課税方式は「申告不要・総合課税・申告分離課税」の3択です。

本記事は令和7年(2025年)分の法令および制度に基づき作成しています。税制・制度は毎年改正されることがあります。実際の手続き・申告・納税については、最新の法令および公式情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。本記事はFP2級試験対策および一般的な学習目的で作成されたものです。

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