青色申告と減価償却

📊 この記事の出題頻度:★★★(高)
FP3級との主な違い:青色申告特別控除(65万円・55万円・10万円)の適用要件の詳細・減価償却(定額法・定率法)の計算・少額減価償却資産の特例・青色事業専従者給与との関係が加わります。

青色申告特別控除の3段階

青色申告を行うと、事業所得または不動産所得から青色申告特別控除が差し引けます。2025年分は以下の3段階です。

控除額主な要件
65万円①事業的規模の不動産賃貸または事業所得 ②正規の簿記(複式簿記)による記帳 ③確定申告書にBS・PLを添付 ④e-Tax申告または電子帳簿保存
55万円上記①〜③を満たすが、④(e-Tax・電子帳簿保存)を行わない場合
10万円上記以外の青色申告者(簡易簿記でもよい)

⚠️ 不動産所得の65万円控除の要件:事業的規模(5棟10室基準)の不動産賃貸でなければ65万円(または55万円)は適用できません。アパート1棟(5室以下)は事業的規模に達しないため10万円控除となります。この違いはFP2級で頻出です。

減価償却の計算

減価償却とは、建物・機械・備品などの固定資産の取得費用を耐用年数にわたって分割計上する方法です。FP2級では定額法と定率法の計算が問われます。

定額法(建物・建物附属設備など)

毎年同じ金額を償却します。

年間償却費 = 取得価額 × 定額法の償却率(1 ÷ 耐用年数)

【例】取得価額1,000万円・耐用年数20年の建物(定額法)
年間償却費 = 1,000万円 × 0.050(=1÷20)= 50万円/年

定率法(機械・車両など)

帳簿価額(未償却残高)に一定率を乗じます。最初の年が最も多く、徐々に減少します。

年間償却費 = 期首帳簿価額 × 定率法の償却率

📌 2007年4月1日以後に取得した資産は「200%定率法」(定率法の償却率=定額法の償却率×2)が適用されます。FP2級では耐用年数から定率法の償却率を求める必要はなく、問題文に与えられます。

建物の場合:2016年4月以降取得は定額法のみ

2016年4月1日以後に取得した建物・建物附属設備・構築物は定額法のみが適用されます(定率法は選択不可)。この点がFP2級で問われることがあります。

少額減価償却資産の特例

資産の取得価額処理方法
10万円未満(または使用可能期間1年未満)取得年に全額費用計上(損金算入)
10万円以上20万円未満3年間で均等償却(一括償却資産)または通常の減価償却
30万円未満(中小企業者等の特例)取得年に全額費用計上(年間300万円まで)

青色事業専従者給与

青色申告者が生計を一にする配偶者や親族に事業に従事させている場合、届出書に記載した金額の範囲内で、実際に支払った給与を必要経費にできます(白色申告は事業専従者控除として定額のみ)。

  • 事前に税務署への届出が必要(開業の日から2か月以内または青色申告承認申請書提出から2か月以内)
  • 専従者に支払った給与は、専従者側には給与所得として課税される
  • 専従者は配偶者控除・扶養控除の対象にならない(給与が必要経費になるトレードオフ)

FP3級との主な違い

項目FP3級FP2級
青色申告特別控除65万円・10万円の存在65万円・55万円・10万円の詳細要件(e-Tax・事業的規模)
減価償却計算概念のみ定額法・定率法の実際の計算・建物は定額法のみ
少額資産の特例触れない10万円・20万円・30万円の各区分と処理方法

まとめ

青色申告特別控除の65万円・55万円・10万円の区別(e-Taxと事業的規模が65万円の鍵)、減価償却の定額法(取得価額×償却率)の計算、建物は2016年4月以降取得分は定額法のみという3点を確実に覚えてください。少額資産の10万円未満は全額費用、中小企業の30万円未満特例も試験に出ます。

本記事は令和7年(2025年)分の法令および制度に基づき作成しています。税制・制度は毎年改正されることがあります。実際の手続き・申告・納税については、最新の法令および公式情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。本記事はFP2級試験対策および一般的な学習目的で作成されたものです。

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