遺言と信託

📊 この記事の出題頻度:★★★(高)
FP3級との主な違い:公正証書遺言・自筆証書遺言・秘密証書遺言の3種類の要件の詳細比較・遺留分の計算(遺留分割合と遺留分侵害額請求)・成年後見制度・遺言信託の概念が加わります。

遺言の3種類の比較

項目自筆証書遺言公正証書遺言秘密証書遺言
作成方法全文・日付・氏名を自書・押印(財産目録はPC可)公証人が作成・証人2名以上が立ち会い遺言者が署名押印→封印→公証役場
証人不要2人以上必要2人以上必要
家庭裁判所の検認必要(法務局保管は不要)不要必要
遺言の効力強い(自書要件を満たせば)最も確実存在は明らか・内容は秘密
紛失・偽造のリスクあり(法務局保管で回避可)なし(公証役場に原本保管)あり

⚠️ 自筆証書遺言の必須要件(試験頻出):①全文・日付・氏名を手書き(自書)②押印③財産目録はワード等でも可(2019年改正後)。日付のない自筆証書遺言は無効です。公正証書遺言は家庭裁判所の検認が不要です。

遺留分とは

遺留分とは、一定の法定相続人(配偶者・子・直系尊属)が遺言によっても侵害されることのない最低限の相続財産の取り分です。

相続人の構成遺留分割合の合計各相続人の遺留分
直系尊属のみ(親等)1/3親の数で均等割
それ以外(子・配偶者等が含まれる)1/2法定相続分×1/2
兄弟姉妹なし(遺留分なし)

遺留分の計算例

【設例】相続財産6,000万円・法定相続人:配偶者・子2人
遺留分の合計:6,000万円 × 1/2 = 3,000万円
配偶者の遺留分:3,000万円 × 1/2(法定相続分)= 1,500万円
子各自の遺留分:3,000万円 × 1/4(法定相続分)= 750万円

📌 遺留分侵害額請求:遺言で遺留分を侵害された相続人は、遺言によって財産を受け取った人(受遺者・受贈者)に対して金銭での支払いを請求できます(2019年改正前は「遺留分減殺請求」として物の返還を求める制度でした)。期限は「遺留分の侵害を知った時から1年以内」または「相続開始から10年以内」です。

相続欠格と廃除

制度内容遺留分
相続欠格被相続人を殺害・詐欺・脅迫等の一定の行為をした相続人は当然に相続権を失うなし
廃除被相続人が家庭裁判所に申し立て、相続人の相続権を奪う(虐待・侮辱等)廃除で剥奪

遺言信託・成年後見制度

遺言信託は、信託銀行等が遺言の作成から執行まで支援するサービスです(「遺言信託」という用語は、信託法上の遺言による信託とは別物であり、金融機関のサービス名として一般的に使われます)。

成年後見制度は、認知症等で判断能力が低下した人を保護する制度で、相続対策との関連では「認知症になる前に任意後見契約を締結しておく」ことが重要です。法定後見(裁判所が後見人を選定)と任意後見(本人が指定)の2種類があります。

FP3級との主な違い

項目FP3級FP2級
遺言の種類3種類の概念自筆要件・証人・検認の詳細比較・法務局保管制度
遺留分概念のみ割合(1/2または1/3)の適用判定・計算・侵害額請求の期限
相続欠格・廃除触れない違いと代襲相続への影響

試験対策:よく問われるポイント一覧

  • 公正証書遺言:証人2名以上・検認不要・最も確実
  • 自筆証書遺言:全文自書・日付・氏名・押印が必須(財産目録はPC可)
  • 遺留分がない相続人:兄弟姉妹(遺留分なし)
  • 遺留分割合:直系尊属のみ→1/3・それ以外(配偶者・子等)→1/2
  • 遺留分侵害額請求の期限:侵害を知った時から1年・相続開始から10年

まとめ

遺言の試験ポイントは「公正証書遺言は検認不要・証人2人必要」「自筆証書遺言は全文自書・日付・押印が必須・法務局保管なら検認不要」です。遺留分は直系尊属のみの場合は1/3、それ以外は1/2で計算し、兄弟姉妹には遺留分なしという区別を確実にしてください。

本記事は令和7年(2025年)分の法令および制度に基づき作成しています。税制・制度は毎年改正されることがあります。実際の手続き・申告・納税については、最新の法令および公式情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。本記事はFP2級試験対策および一般的な学習目的で作成されたものです。

タイトルとURLをコピーしました