📊 この記事の出題頻度:★★★(高)
FP3級との主な違い:財務データから各指標を自分で計算する(発行済株式数から1株当たり純利益を算出するステップ含む)・PER×ROE=PBRの関係式・2社比較問題での判定が加わります。
株式の主要投資指標:計算式の完全整理
| 指標 | 計算式 | 単位 | 高い=割高 or 割安 |
|---|---|---|---|
| PER(株価収益率) | 株価 ÷ 1株あたり当期純利益(EPS) | 倍 | 高い=割高、低い=割安 |
| PBR(株価純資産倍率) | 株価 ÷ 1株あたり純資産(BPS) | 倍 | 高い=割高、低い=割安(1倍割れ=解散価値以下) |
| ROE(自己資本利益率) | 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100 | % | 高い=資本効率が良い |
| 配当利回り | 1株あたり年間配当金 ÷ 株価 × 100 | % | 高い=利回りが高い |
| 配当性向 | 1株あたり配当金 ÷ 1株あたり当期純利益 × 100 | % | 高い=株主還元が高い |
⚠️ 混同注意:「配当利回り=配当÷株価」ですが、「配当性向=配当÷利益」です。試験では「配当性向は株価に対する配当の割合」という誤りの選択肢が頻出します。配当性向は利益(EPS)に対する配当の割合です。
FP2級典型の計算問題:2ステップで解く
FP2級の試験では財務データから「1株あたり」の数値を自分で算出するステップが追加されます。
計算例
【資料】X社の財務データ
・株価:3,000円
・当期純利益:150億円
・純資産:600億円
・発行済株式数:1.5億株
・年間配当金:1株あたり60円
Step1:1株あたりの数値を計算する
EPS(1株あたり純利益)= 150億円 ÷ 1.5億株 = 100円
BPS(1株あたり純資産)= 600億円 ÷ 1.5億株 = 400円
Step2:各指標を計算する
PER = 3,000円 ÷ 100円 = 30倍
PBR = 3,000円 ÷ 400円 = 7.5倍
ROE = 150億円 ÷ 600億円 × 100 = 25%
配当利回り = 60円 ÷ 3,000円 × 100 = 2%
配当性向 = 60円 ÷ 100円 × 100 = 60%
PER・PBR・ROEの関係式
3つの指標には以下の関係式が成り立ちます。試験でどれか2つが与えられ、残り1つを求めるパターンが出題されます。
PBR = PER × ROE(ただし ROEを小数で表す場合)
例)PER 30倍 × ROE 25%(0.25)= PBR 7.5倍 → 成立!
📌 PBR=PER×ROE(ROEを割合で表した数値)という関係は、FP2級で「〇〇が与えられているとき、□□を求めよ」という問題形式でよく使われます。3つのうち2つを与えて残り1つを求めるパターンを練習しておきましょう。
2社比較問題の解き方
FP2級でよく出るのが「X社とY社を比較して、正しい記述を選べ」という形式です。計算して比較する力が必要です。
【設例】X社:株価1,500円・EPS60円・BPS300円・配当25円
Y社:株価2,000円・EPS100円・BPS500円・配当30円
X社のPER=1,500÷60=25倍 Y社のPER=2,000÷100=20倍
X社のPBR=1,500÷300=5倍 Y社のPBR=2,000÷500=4倍
X社の配当利回り=25÷1,500×100≒1.67% Y社=30÷2,000×100=1.50%
→「Y社はX社よりPERが低い(割安)」「X社の配当利回りはY社より高い」など
各指標の解釈ポイント
- PER:高いほど投資家の期待が高い(成長株)が割高。低いほど割安だが低成長の可能性もある
- PBR 1倍割れ:株価が解散価値(純資産)を下回っている状態。理論上は割安だが何らかの問題を抱えている可能性も
- ROE:自己資本をどれだけ効率よく使って利益を上げているか。同業他社比較が重要
- 配当性向:100%超えは利益以上の配当(持続不可能)。一般に30〜50%が健全とされる(業種で異なる)
FP3級との主な違い
| 項目 | FP3級 | FP2級 |
|---|---|---|
| 指標計算 | 公式の確認程度 | 発行済株式数から1株あたり値を算出したうえで複数指標を計算 |
| PER・PBR・ROEの関係 | 各指標を個別に覚える | PBR=PER×ROEの関係式を使った逆算 |
| 2社比較 | 触れない | 2社の数値を計算して比較し適切な記述を選ぶ |
まとめ
FP2級の株式指標問題は「財務データ→1株あたり数値の算出→指標計算→比較・判定」という流れが基本です。特に「配当利回り(÷株価)」と「配当性向(÷EPS)」の混同、PBR=PER×ROEの関係式、PBR1倍割れの意味を確実に理解しておきましょう。
本記事は令和7年(2025年)分の法令および制度に基づき作成しています。税制・制度は毎年改正されることがあります。実際の手続き・申告・納税については、最新の法令および公式情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。本記事はFP2級試験対策および一般的な学習目的で作成されたものです。
