📊 この記事の出題頻度:★★★(高)
国民年金・厚生年金の「老齢・障害・遺族」3種類の給付はセットで出題されます。「どちらの年金から・誰に・いくら支給されるか」を横断的に整理しておくことが合格の近道です。
公的年金の給付体系:3つのリスクに備える
公的年金は「老後・障害・死亡(遺族)」の3つのリスクをカバーします。国民年金(1階)と厚生年金(2階)では、それぞれに対応する給付があります。会社員は1階と2階の両方から給付を受けられる点が最大のメリットです。
| リスク | 国民年金(1階) | 厚生年金(2階) | 対象者 |
|---|---|---|---|
| 老後 | 老齢基礎年金 | 老齢厚生年金 | 全員(2階は会社員のみ) |
| 障害 | 障害基礎年金(1・2級) | 障害厚生年金(1・2・3級)+障害手当金 | 要件を満たした被保険者 |
| 遺族 | 遺族基礎年金 | 遺族厚生年金 | 要件を満たした遺族 |
老齢給付の比較整理
| 項目 | 老齢基礎年金(国民年金) | 老齢厚生年金(厚生年金) |
|---|---|---|
| 受給開始年齢 | 原則65歳 | 原則65歳 |
| 受給資格期間 | 10年以上 | 10年以上+厚生年金1か月以上 |
| 年金額の決まり方 | 加入期間(最大480か月) | 平均報酬額×給付乗率×加入月数(報酬比例) |
| 2025年度の満額 | 年831,700円(月69,308円) | 収入・加入期間により異なる |
| 繰上げ | 60〜64歳・月0.4%減額 | 同時に繰上げが原則 |
| 繰下げ | 66〜75歳・月0.7%増額 | 老齢基礎年金とは別々に繰下げ可 |
💡 老齢厚生年金の繰下げは基礎年金と別々に可能
老齢基礎年金と老齢厚生年金は、それぞれ独立して繰下げを選択できます。たとえば「老齢基礎年金は66歳まで繰下げ、老齢厚生年金は65歳から受給開始」という選択も可能です。繰上げは原則として同時申請が必要である点と対比して覚えておきましょう。
障害給付の比較整理(試験頻出)
障害給付は「国民年金」と「厚生年金」で等級・金額・対象者が異なります。特に障害厚生年金3級・障害手当金は厚生年金独自の給付である点(国民年金には3級・手当金がない)が頻出ポイントです。
| 給付名 | 等級 | 支給額の目安(2025年度) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 障害基礎年金(国民年金) | 1級 | 年1,039,625円(満額×1.25倍)+子の加算 | 2級より25%増 |
| 2級 | 年831,700円(満額相当)+子の加算 | 老齢基礎年金満額と同額 | |
| 障害厚生年金(厚生年金) | 1級 | 報酬比例部分×1.25倍+配偶者加給年金 | 障害基礎年金に上乗せ |
| 2級 | 報酬比例部分+配偶者加給年金 | 障害基礎年金に上乗せ | |
| 3級 | 報酬比例部分(最低保障:年623,800円) | 厚生年金のみの独自給付 | |
| 障害手当金(厚生年金) | — | 報酬比例部分×2倍(一時金) | 軽度障害が治癒した場合・厚生年金のみ |
⚠️ 障害給付の受給要件(保険料納付要件)
障害基礎・障害厚生年金ともに、初診日の前日までに以下のいずれかを満たすことが必要です。
①初診日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料納付済期間と免除期間が2/3以上
②初診日の属する月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がない(特例)
なお、被保険者期間が300か月(25年)未満の場合、障害厚生年金・遺族厚生年金は300か月とみなして計算します。
遺族給付の比較整理(最頻出)
遺族給付は「誰に支給されるか」の違いが最重要ポイントです。国民年金の遺族基礎年金は子のある配偶者または子のみに支給されるのに対し、厚生年金の遺族厚生年金は子のない配偶者にも支給されます。
| 項目 | 遺族基礎年金(国民年金) | 遺族厚生年金(厚生年金) |
|---|---|---|
| 受給できる遺族 | 子のある配偶者 または 子 | 配偶者(子なし可)・子・父母・孫・祖父母(優先順位あり) |
| 子のない配偶者 | 受給不可 | 受給可 |
| 支給額 | 老齢基礎年金満額+子の加算 (1・2人目:各239,300円、3人目〜:各79,800円) | 被保険者の報酬比例部分の3/4 |
| 最低保障月数 | なし | 被保険者期間が300か月未満の場合、300か月とみなし計算 |
| 「子」の定義 | 18歳到達年度末(障害1・2級は20歳未満)の未婚の子 | |
💡 遺族厚生年金と中高齢寡婦加算(試験に出る)
夫が死亡した時点で40歳以上65歳未満で、遺族基礎年金を受給していない妻(子がいない、または末子が18歳到達年度末を過ぎた妻)には、遺族厚生年金に中高齢寡婦加算が上乗せされます。65歳になると経過的寡婦加算に切り替わります。このような「子のない妻への配慮」が厚生年金の特徴のひとつです。
試験直前!給付の横断比較チェック表
📋 国年 vs 厚年 給付の違い まとめ(頻出ポイント)
【障害給付の違い】
・国民年金:1級・2級のみ → 厚生年金:1・2・3級+障害手当金あり
・障害手当金(一時金)は厚生年金のみ
【遺族給付の違い】
・国民年金:子のない配偶者は受給不可
・厚生年金:子のない配偶者も受給可
・遺族厚生年金の額=報酬比例部分の3/4
【300か月みなし計算】
・障害厚生年金(1・2・3級)、遺族厚生年金に適用
・障害基礎年金・遺族基礎年金には適用されない
【繰上げ・繰下げ】
・繰上げは基礎年金と厚生年金を同時に申請が原則
・繰下げは基礎年金と厚生年金で別々に選択可
FP2級ではここが加わる
- 障害年金の額の具体的な計算(保険料納付要件の詳細含む)
- 遺族厚生年金の受給期間(有期給付となる場合:子のない30歳未満の妻は5年間のみ)
- 老齢年金と遺族年金の選択(65歳以降の併給調整ルール)
本記事は令和7年(2025年)分の法令および制度に基づき作成しています。税制・制度は毎年改正されることがあります。実際の手続き・申告・納税については、最新の法令および公式情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。本記事はFP3級試験対策および一般的な学習目的で作成されたものです。
