📊 この記事の出題頻度:★★★(高)
健康保険は傷病手当金・出産手当金の計算、任意継続の要件が頻出です。「業務外のケガ・病気=健康保険、業務上=労災保険」という区別も必ず押さえてください。
健康保険とは:業務外の病気・ケガに備える
健康保険は、会社員・公務員とその家族が加入する医療保険です。業務外の病気・ケガによる医療費の自己負担を軽減し、休業時の収入も補償します。業務上・通勤中のケガ等は健康保険ではなく労災保険の給付となる点に注意が必要です。
健康保険の保険者(運営主体)は主に2種類あります。中小企業の会社員が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)と、大企業が独自に運営する健康保険組合(組合健保)です。
被保険者と被扶養者
健康保険に直接加入する被保険者(本人)と、その家族として保険の適用を受ける被扶養者に分けられます。被扶養者は保険料を追加で負担することなく給付を受けられます。
- 被扶養者の認定要件:主として被保険者の収入で生計を維持していること。年間収入が130万円未満(60歳以上または障害者は180万円未満)かつ被保険者の年収の1/2未満であることが目安
- 対象範囲:配偶者・子・孫・兄弟姉妹・直系尊属(同居不要)、およびそれ以外の三親等内の親族(同居要件あり)
保険料の仕組み
健康保険の保険料は標準報酬月額×保険料率で計算し、事業主と被保険者が折半して負担します。協会けんぽの保険料率は都道府県ごとに異なります。
💴 2025年度の保険料率(協会けんぽ)
健康保険料率:都道府県別(例:東京都は9.91%、2025年度)
介護保険料率(40〜64歳):全国一律1.59%(2025年度)
負担:事業主と被保険者で折半
※健康保険組合(組合健保)は組合ごとに料率が異なります
主な給付の内容(試験頻出)
療養の給付(医療費の自己負担割合)
| 年齢・区分 | 自己負担割合 |
|---|---|
| 小学校入学前(未就学児) | 2割 |
| 小学生〜69歳 | 3割 |
| 70〜74歳 | 2割(現役並み所得者は3割) |
| 75歳以上(後期高齢者医療制度) | 1割(現役並み所得者は3割、一定以上所得者は2割) |
傷病手当金(最頻出の給付)
業務外の病気やケガで仕事を休み、給与が受けられない(または減額される)場合に支給されます。
📐 傷病手当金の計算式(試験頻出)
1日あたりの支給額=支給開始日以前12か月の標準報酬月額の平均額 ÷ 30 × 2/3
支給条件:①業務外の傷病で療養中 ②労務不能状態 ③4日以上仕事を休んでいる(最初の3日間は待期期間として不支給)
支給期間:支給開始日から通算1年6か月(2022年1月〜通算制度に変更)
【計算例】標準報酬月額の平均30万円の場合の1日あたり支給額
300,000円 ÷ 30 × 2/3 = 6,667円
⚠️ 傷病手当金の「待期期間」と「通算1年6か月」
待期期間(最初の連続3日)は有給休暇・公休日でも構いません。4日目から支給されます。支給期間は2022年1月から「支給開始日から通算1年6か月」に改正されました。途中で出勤しても、その出勤期間は1年6か月に含めないカウントです(通算制)。
出産手当金
被保険者(本人)が出産のため仕事を休んだ場合に支給されます。
- 支給期間:出産予定日以前42日(多胎妊娠は98日)〜出産後56日
- 支給額:1日あたり=標準報酬月額の平均÷30×2/3(傷病手当金と同額の計算式)
- 対象:被保険者(本人)のみ。被扶養者(家族)の出産には支給されない
高額療養費制度
同一月内の医療費の自己負担額が一定の自己負担限度額を超えた場合、超えた分が払い戻される制度です。限度額は所得区分によって異なります。FP3級では「制度の存在と仕組み」の理解が求められます。
任意継続被保険者制度
退職後も引き続き健康保険に加入し続けられる制度です。
- 加入要件:退職日の前日までに継続して2か月以上の被保険者期間があること
- 申請期限:退職日の翌日から20日以内
- 加入期間:最大2年間
- 保険料:退職時の標準報酬月額(または加入者平均標準報酬月額のいずれか低い方)をもとに計算し、全額自己負担(事業主負担なし)
試験によく出る重要数値まとめ
📋 健康保険 最重要数値・ポイント
・自己負担:小学生〜69歳=3割、未就学児=2割
・傷病手当金:標準報酬日額の2/3、4日目から、通算1年6か月
・出産手当金:産前42日(多胎98日)〜産後56日、日額の2/3
・任意継続の申請期限:退職翌日から20日以内、最大2年間、保険料は全額自己負担
・被扶養者の年収要件:130万円未満(60歳以上・障害者は180万円未満)
・業務外の病気・ケガ:健康保険 業務上・通勤中:労災保険
FP2級ではここが加わる
- 高額療養費の自己負担限度額の計算(所得区分ごとの上限額と計算式)
- DPCQ(包括払い)など診療報酬の仕組み
- 国民健康保険との比較(保険料の計算方法の違い)
本記事は令和7年(2025年)分の法令および制度に基づき作成しています。税制・制度は毎年改正されることがあります。実際の手続き・申告・納税については、最新の法令および公式情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。本記事はFP3級試験対策および一般的な学習目的で作成されたものです。
