外貨預金

📊 この記事の出題頻度:★★★(高)
FP3級との主な違い:TTS・TTBを使った円換算計算・利息を含む元利合計の円換算・為替差益の課税(雑所得)・損益分岐点となるTTBの計算が加わります。

外貨預金の為替レート:TTS・TTB・TTMを使い分ける

外貨預金の損益計算では、どの取引にどのレートを適用するかが最大のポイントです。

レート意味適用場面
TTS(対顧客電信売相場)銀行が顧客に外貨を「売る」レート(顧客が円→外貨に換えるとき)外貨預金の預入時(円を外貨に換えるとき)
TTB(対顧客電信買相場)銀行が顧客から外貨を「買う」レート(顧客が外貨→円に換えるとき)外貨預金の払戻時(外貨を円に換えるとき)
TTM(仲値)TTSとTTBの中間値(基準レート)TTM ± 手数料 = TTS・TTB

⚠️ 方向の覚え方:「顧客が円→外貨」はTTS、「顧客が外貨→円」はTTBです。TTSの方がTTBより高い(手数料が乗っている)ため、預入→払戻をレートが変わらずに繰り返すと必ず損になります。

外貨預金の損益計算:ステップで解く

基本計算例

【設例】Aさんが以下の条件で米ドル定期預金に預け入れた。
・預入時TTS:1ドル=130円 ・満期時TTB:1ドル=134円
・預入額:10,000ドル(円換算:130万円) ・年利率:3% ・期間:1年

Step1:預入時の円換算額
10,000ドル × 130円(TTS)= 1,300,000円

Step2:満期時の元利合計(ドル建て)
10,000ドル × 3% = 300ドル(利息)
元利合計:10,000 + 300 = 10,300ドル

Step3:満期時の円換算額(TTBを使用)
10,300ドル × 134円(TTB)= 1,380,200円

Step4:損益と利回り
運用益:1,380,200円 – 1,300,000円 = 80,200円
年間利回り:80,200円 ÷ 1,300,000円 × 100 ≒ 6.17%

📌 この6.17%という利回りは「外貨金利(3%)+為替差益(1ドルあたり4円の円安)」の両方を含んでいます。試験では元利合計をTTBで円換算した額から円投額を差し引いて損益を求める問題が頻出です。

為替差益・差損の課税

種別課税区分申告方法
利息(利子部分)利子所得(20.315%)源泉分離課税(申告不要)
為替差益雑所得(総合課税)確定申告が原則必要
為替差損雑所得のマイナス他の雑所得と損益通算は可能(給与所得等との通算不可)

⚠️ 重要:外貨預金の為替差益は雑所得として総合課税される点が頻出ポイントです。申告分離課税や源泉分離課税ではありません。また、為替差損は他の雑所得とのみ損益通算可能で、給与所得や事業所得との損益通算はできません。

損益分岐点TTBの計算

預け入れた円投額と同額を払戻時に受け取れるためのTTBの水準を「損益分岐点レート」といいます。

損益分岐点TTB = 預入時の総円投額 ÷ 満期時の外貨元利合計

【上記設例での損益分岐点】
1,300,000円 ÷ 10,300ドル ≒ 126.21円/ドル
→ 満期時のTTBがこのレート以上なら利益、以下なら損失

外貨預金の特徴と注意点

  • 預金保険制度(ペイオフ)の対象外(保護されない)
  • 為替変動リスクにより元本割れの可能性がある
  • 往復の為替手数料(TTS購入時+TTB売却時)がコストになる
  • 為替予約を付けると為替変動リスクを固定できるが、利回りも確定する

📌 外貨預金は預金保険の対象外という点が試験で頻繁に出題されます。円預金・円建て定期預金(元本1,000万円+利息まで)は保護されますが、外貨預金は保護されません。

FP3級との主な違い

項目FP3級FP2級
TTS・TTBの適用概念のみステップで損益・利回りを計算(利息のドル換算含む)
為替差益の課税概念のみ雑所得・総合課税・他の雑所得との損益通算の可否
損益分岐点触れない損益分岐TTBを計算

まとめ

外貨預金の計算では「預入時はTTS、払戻時はTTB」という方向性を守り、利息をドル建てで計算してから満期の元利合計をTTBで円換算する4ステップを丁寧に踏むことが重要です。為替差益は雑所得(総合課税)で申告が必要、また外貨預金は預金保険の対象外という2点も必ず押さえてください。

本記事は令和7年(2025年)分の法令および制度に基づき作成しています。税制・制度は毎年改正されることがあります。実際の手続き・申告・納税については、最新の法令および公式情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。本記事はFP2級試験対策および一般的な学習目的で作成されたものです。

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