ポートフォリオのリスク計算

📊 この記事の出題頻度:★★☆(中)
FP3級との主な違い:ポートフォリオの期待収益率の計算・相関係数の影響(分散効果)・シャープレシオの計算と2ファンドの比較・標準偏差(リスク)の概念が加わります。

ポートフォリオ理論の基本

ポートフォリオとは、複数の資産を組み合わせた投資全体のことです。FP2級では「どのように組み合わせれば、リスクを抑えながら一定の収益を得られるか」という考え方(現代ポートフォリオ理論)の基礎を問われます。

ポートフォリオの期待収益率の計算

複数資産のポートフォリオの期待収益率は、各資産の期待収益率を組入比率で加重平均して求めます。

ポートフォリオの期待収益率 = Σ(各資産の期待収益率 × 組入比率)

計算例

【設例】資産AとBに以下の割合で投資
・資産A:期待収益率5%・組入比率40%
・資産B:期待収益率8%・組入比率60%

ポートフォリオの期待収益率 = 5% × 0.4 + 8% × 0.6 = 2% + 4.8% = 6.8%

標準偏差とリスクの概念

投資における「リスク」とは「リターンのばらつき」のことで、標準偏差(σ)で表されます。標準偏差が大きいほどリターンのばらつきが大きく、リスクが高いといえます。

📌 正規分布と標準偏差の関係
・期待収益率 ±1σ の範囲に約68%の確率でリターンが収まる
・期待収益率 ±2σ の範囲に約95%の確率でリターンが収まる
例)期待収益率5%・標準偏差10%の場合、約68%の確率でリターンは-5%〜15%の範囲に収まる

相関係数と分散効果

ポートフォリオ全体のリスクは、組入資産間の「相関係数」によって変化します。これが分散投資の核心です。

相関係数分散効果ポートフォリオのリスク
+1(完全正の相関)分散効果なし最大(単純加重平均と同じ)
0(無相関)分散効果あり中程度
-1(完全負の相関)最大の分散効果最小(理論上ゼロも可能)

⚠️ 重要ポイント:ポートフォリオの期待収益率は各資産の加重平均になりますが、ポートフォリオのリスク(標準偏差)は相関係数が1未満であれば、各資産の標準偏差の加重平均より小さくなります(分散効果)。「期待収益率は加重平均、リスクは相関係数しだいで加重平均以下になる」がポイントです。

シャープレシオ(リスク調整後リターン)

シャープレシオとは、「リスク1単位あたりの超過収益率」を表す指標で、ファンドの運用効率を評価するために使います。

シャープレシオ = (ポートフォリオの収益率 – 無リスク資産の収益率) ÷ 標準偏差

計算例・比較

【設例】無リスク資産の収益率を1%として2つのファンドを比較

ファンド収益率標準偏差シャープレシオ
ファンドA8%10%(8%-1%)÷10% = 0.70
ファンドB6%5%(6%-1%)÷5% = 1.00

→ シャープレシオはBの方が高いため、リスク当たりの効率はBが優れている。収益率はAが高いが、そのリスクの大きさを考慮するとBが良い選択と判断できる。

📌 シャープレシオが高いほど「同じリスクに対してより多くのリターンを得ている」ことを意味します。FP2級では2つのファンドのシャープレシオを計算して比較する問題が頻出です。

FP3級との主な違い

項目FP3級FP2級
期待収益率概念のみ加重平均で実際に計算
標準偏差リスクの概念±1σ・±2σの確率(68%・95%)
相関係数触れない相関係数と分散効果の関係(±1・0の場合)
シャープレシオ触れない計算して2ファンドを比較

試験対策:よく問われるポイント一覧

  • ポートフォリオの期待収益率は各資産の加重平均(相関係数の影響なし)
  • ポートフォリオのリスク(標準偏差)は相関係数が1未満なら加重平均より小さい
  • 相関係数-1のとき分散効果が最大(理論上リスクゼロも可能)
  • シャープレシオ=(収益率-無リスク利子率)÷標準偏差(高いほど優秀)
  • 標準偏差±1σ:約68%の確率、±2σ:約95%の確率

まとめ

FP2級ではポートフォリオの期待収益率(加重平均)とシャープレシオ(超過収益率÷標準偏差)の計算が最重要です。相関係数と分散効果の関係(相関係数-1のとき最も分散効果大)、標準偏差±1σで約68%の確率という数値も頻出です。

本記事は令和7年(2025年)分の法令および制度に基づき作成しています。税制・制度は毎年改正されることがあります。実際の手続き・申告・納税については、最新の法令および公式情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。本記事はFP2級試験対策および一般的な学習目的で作成されたものです。

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