📊 この記事の出題頻度:★★★(高)
FP3級との主な違い:居住用財産の3,000万円特別控除の計算・短期・長期譲渡所得の税率比較・10年超所有軽減税率の特例の計算・3,000万円控除と軽減税率の併用が加わります。
土地・建物の譲渡所得の基本計算
土地・建物の譲渡所得は申告分離課税で、所有期間によって税率が異なります。
譲渡所得 = 譲渡収入金額 – (取得費 + 譲渡費用) – 特別控除額
| 所有期間の判定基準 | 区分 | 税率(所得税+住民税) |
|---|---|---|
| 譲渡した年の1月1日時点で5年以下 | 短期譲渡所得 | 39.63%(所得税30.63%+住民税9%) |
| 譲渡した年の1月1日時点で5年超 | 長期譲渡所得 | 20.315%(所得税15.315%+住民税5%) |
⚠️ 所有期間の判定は「譲渡した年の1月1日時点」:2018年3月に取得・2023年12月に売却した場合、売却年2023年の1月1日時点での所有期間は約4年10か月(5年以下)→短期譲渡所得となります。実際の所有期間が5年を超えていても判定基準日が重要です。
居住用財産の3,000万円特別控除
マイホーム(居住用財産)を売却した場合、所有期間にかかわらず、譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。
3,000万円控除の計算例
【設例】自宅(所有期間3年)を8,000万円で売却。取得費4,500万円・譲渡費用500万円。
譲渡所得 = 8,000万円 – (4,500万円 + 500万円)= 3,000万円
3,000万円控除適用後 = 3,000万円 – 3,000万円 = 0円(課税なし)
3,000万円控除の主な要件
- 現在居住している家屋の売却(または住まなくなった日から3年以内の年末まで)
- 売却年の前年・前々年に同じ特例や買換え特例を受けていないこと
- 親族・配偶者等への売却ではないこと
- 3年に1度しか適用できない
10年超所有軽減税率の特例
居住用財産を所有期間10年超で売却した場合、長期譲渡所得より低い税率が適用されます。3,000万円控除と併用可能です。
| 課税長期譲渡所得の金額 | 所得税率 | 住民税率 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 6,000万円以下の部分 | 10.21% | 4% | 14.21% |
| 6,000万円超の部分 | 15.315% | 5% | 20.315%(通常の長期と同じ) |
3,000万円控除と軽減税率の併用計算
【設例】所有期間15年のマイホームを1億円で売却。取得費3,000万円・譲渡費用200万円。
譲渡所得 = 1億円 – 3,200万円 = 6,800万円
3,000万円控除適用後:6,800万円 – 3,000万円 = 3,800万円
軽減税率(3,800万円は6,000万円以下):3,800万円 × 14.21% = 約540万円
取得費の特例(概算取得費5%)
取得費が不明・少ない場合は「譲渡収入金額 × 5%」を取得費として使える特例があります(概算取得費)。実際の取得費と概算取得費を比較して有利な方を選べます。
FP3級との主な違い
| 項目 | FP3級 | FP2級 |
|---|---|---|
| 短期・長期の判定 | 5年超・以下の概念 | 「譲渡した年の1月1日時点」という判定基準日 |
| 3,000万円控除 | 概念のみ | 計算と要件(3年1回・特別関係者への売却は不可) |
| 10年超軽減税率 | 触れない | 6,000万円以下14.21%の計算・3,000万円控除との併用 |
まとめ
不動産譲渡のFP2級計算は「譲渡収入-(取得費+譲渡費用)-特別控除」という計算式と、短期(39.63%)・長期(20.315%)・10年超軽減(6,000万円以下14.21%)という3段階の税率を正確に使い分けることがポイントです。3,000万円控除と10年超軽減税率は併用できますが、買換え特例とは重複適用不可という制限も押さえてください。
本記事は令和7年(2025年)分の法令および制度に基づき作成しています。税制・制度は毎年改正されることがあります。実際の手続き・申告・納税については、最新の法令および公式情報を確認のうえ、税理士等の専門家にご相談ください。本記事はFP2級試験対策および一般的な学習目的で作成されたものです。
